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フリージャーナリスト・通訳 永冶ベックマン啓子によるコラム集のページにお越し頂き、
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  息子をドイツの徴兵に送って(6) 2008年08月22日
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チェルノブイリの原子力発電所の大事故より24年間の時間が経過した現在、立ち入り禁止区域の当地は草食動物と肉食動物のバランスが取れた豊かな野生動物達の公園となっている。

ロシアの科学者達が、立ち入り禁止区域に入り動物に関する調査がなされた。
野ネズミを捕獲する為にワナを仕掛けると、予想以外に大変多く捕獲でき、繁殖している事がわかり、病気も奇形も見られなかった。

野ネズミを餌とする動物のフクロウ、鷲、きつね、ヘビなども増えていた。
ツバメが廃墟となっている空き家に驚くほど沢山巣をつくり、その数羽を調べてみると、尾羽の長さが異なる異常が見られた。
しかし、ツバメは渡り鳥なので、何処で原因があったのかを判断することは困難でもある。

以前町だった所には、建築物は残る中ブッシュや林など緑が増えていて、また幽霊村と化した昔の農地は草原となりに野生の馬の群れも見られた。
草食動物では他にヘラ鹿、鹿、うさぎも数が多く昔の道路を横切る姿も見えた。
稀少な植物も増えているという。

猪の大きな群れが林の中を通り過ぎたり、オオカミ、熊、珍しいリンクス大山猫の姿も撮影されていたが、銃を持つ人間の敵がいなくなり、保護地帯にもなっているので、そこは野生動物達の楽園のようにも見えた。
ただ、数階建ての誰も長年住んでいない団地は荒れ放題で、不気味でもあった。

チェルノブイリは世界の原子力開発の歴史の中で、他に例がない最悪と言われた大事故で、1986年4月26日1時23分、現在のウクライナで4号炉がメルトダウンして爆発した。住民のパニックや機密漏洩を恐れてこの日何も知らされなく、4月27日1、100キロ離れたスウェーデンからこの事故が知らされた。ソ連、ウクライナ、ベラルーシー(白ロシア)で被害は大きく、南ドイツでも放射性物質が土壌で計測された。

翌日4月27日から1ヶ月間で周辺と原発から30km以内の住民約16万人が移住した。しかし、生れ育った家や土地・故郷から離れたくない一部の老人達はそのまま高濃度の放射性物質で汚染された土地で生活を続けた。
当時、爆発した4号炉にはまだ放出していない放射性物質が多く残り、コンクリートで封じ込める為「石棺」を早急に作る必要があるとの事で、ドイツ政府は膨大な経済援助した。

延べ80万人の労働者がその危険性を知らされず作業に当たるが、その後の調査で 放射性物質はほぼ全て出ており、そのお金がどこへ消えたかスキャンダルにもなっていた。石棺は30年後に修理が必要とされている。

放射性物質が直接の原因としての死亡者は約4000人と発表されているが、作業員は更に多くが被爆して亡くなり、当時はドイツの新聞でも小児甲状腺がん、動物の奇形などの記事が目についた。

広島に投下された原子爆弾の放射線汚染の400倍と言われたが、20世紀半ばの大気圏内核実験の100~1000分に1の汚染とも言われた。

被害が大きい放射性ヨウ素は半減期が8日間、ストロンチウムー90と、セシウムー137は半減期が約30年となり土壌汚染が問題となる。
セシウム137はバリウムー137へと自然崩壊していく。

動植物は人間と比較して、放射性耐性がが大きく異なり、また幅広く差があるようだ。また現地でも、低放射線は動物達にとり生命活動を活発化させているようだと研究者達は語っていた。

実に皮肉な事には、人間が居なくなると自然が復元してゆく。
更に「ドスとエフスキーは、美しいという事は世界を助けると語った」との研究者の言葉も聞かれた。

自然破壊が進み動物や植物達の生息圏が失われている熱体雨林の奥に、原子力発電所のウランの燃えカスを少し置き、人間の立ち入り禁止区域を作ればいいのではないかと思った。自然を自然にお返しする方がどうも賢いようだ。

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