16.01.2009 am Freitag
author : 永冶ベックマン啓子 Keiko Nagaya Beckmann
ドイツーミュンヘンの河川改修計画
イザール プラン 類を見ない ダイナミックな再自然化
永冶ベックマン啓子
イザールの川の柳を折り来たり箸をぞ作る飯を食うがに
ミュンヘン大学医学部留学中に斉藤茂吉(1882-1953 )は、アララギ派の歌人でもあったが、イザール川の歌をいくつも詠んでいる。
この川には、今も柳が岸辺に多い。ドイツ中世の頃から河川の堤防を強固にする根の強い柳が、また柳は簡単に挿し木で増えるので、今日でも好んで川岸に多く植えられている。種類は400種あるという。
イザール川は、オーストリアードイツ アルプスに水源を持ち、ドナウ河の3大支流(イン、レッヒ )の一つにあたる。バイエルン州の州都ミュンヘン市を流れ、全長284㎞である。
最近の記録では、1953年大洪水になり、水は旧市内まで届いている。
その後、大規模な運河工事が為され、水力発電所も小さな物が数箇所作られた
1990 年代、3つの目的の為に、大まかな計画案が水管理局から出された。
今後頻回に起きるであろう大洪水対策、また再自然化環境整備、市民のリクレーションの場所を増やす、2000~2009年のイザール プランが考えられた。
財政面では 州政府が55%、ミュンヘン市が45%負担し、総工費は28ミリオンユーロ (レート 1,60 で約44,8 億円 )、担当局は100年の歴史を持つミュンヘン市の水管理局が代表し、全仕事を担当している。
市のほぼ中心地、イザール川の中洲に世界最大規模のドイツ自然科学博物館が
1925年に建てられているが、その近くのコルネリウス橋から 上流のグロースヘッセローへ橋までの8㎞の区間の河川改修計画である。
まず、最初 Landschaftsarchitekt / 景観設計士によるコンペが行われ、1,2,3位が決められた。2位の方が再自然化の面で市民の人気度が高く、1位と2位の両方が採用される珍しい形となるが、この為時間もお金も予想以上に掛かっている。
計画の河川に関する法的な基礎は、ヨーロッパユニオンの指導要綱に従われて、国際河川は、数カ国で討議されているケースもある。
2005年の8月、100年に1回と言われる誰も経験した事がない大洪水が起きた。
この時の水量は、1050トン/秒で、限界量は1100トン/ 秒であった。
現在の工事が完了すると、川全体のキャパシティを土砂を掘り捨てる事で大きくしているので、疎通能力1400 トン/秒 となる。
第二次世界大戦の折、市は空襲で6割瓦礫の山と化し、その時の瓦礫をドイツ博物館近くの川原に捨て草原にしたが、今それを掘り起こして捨てているが、不発弾が出て来たりするので、慎重に工事が為されている。このあたりは、市民が犬の散歩に好む草原の場所で、犬のアウトーバーンと言われ、実に多くの犬に出会えて楽しい場所である。
驚く事は、堤防の木を一本も切っていない。ミュンヘンで木を切ると言う事は、人を殺す事と同じ位大変な出来事なので、お金も掛かるが、8mのメタルパネルを堤防に打ち込み強化してある。
この8km間を車と徒歩で水管理局の担当者と共に通訳として、視察見学した。
8箇所あった30cmの高さのダムは、魚道の為取り壊され、その後に石庭の如く自然に思える石が置かれ、流木もそのまま放置してあった。1箇所川岸に石のベンチ風階段が作られていた。この川には、虹鱒、カマスなどかなり大きな魚が生息している。
300年前のイザール川の地図を見たが、何箇所かはおそらく数百年前と変わらぬ川の姿がそこにあり、ミュンヘンの魅力がまた1つ増えたのを感じた。
氷河期のアルプスから流れてきた、丸い砂利石が川岸に多い。
川の自らの自然のダイナミクスで作られた、ビオトープや中洲がいくつもみられた。
天気の良い週末は、3万人の市民がイザール川で思い思いに時間を過ごす。
市は、都市のビオトープ化の政策をもつが、このプロジェクトが終わると、市は更に魅力を確実に増す。
水と石と砂とみどりと、太陽と新鮮な空気、グリルも出来ピクニックが楽しめる川原、ヌーディストクラブも沢山あり、川のせせらぎを聞きながら、全身全裸で日光浴を無料で自由に楽しめ、幸せそうな子供達の声が響く。
川が、自然が生きていると感じた。 豊かで平和でまた市の魅力が増えた。
ミュンヘンには、長さ7kmの自然の林を利用した魅力的なイギリス公園があるが、その延長が8kmのイザール川自然公園であると言えよう。
外国からの視察団が増えているが、ヨーロッパの河川工事のモデルケースとなっている。日本の河川の関係当局者の方に是非視察をお薦めしたい。上流から工事がはじまり、ドイツ博物館の近くで工事が今なせれているが完成間際となっている。
イザール プラン 類を見ない ダイナミックな再自然化
永冶ベックマン啓子
イザールの川の柳を折り来たり箸をぞ作る飯を食うがに
ミュンヘン大学医学部留学中に斉藤茂吉(1882-1953 )は、アララギ派の歌人でもあったが、イザール川の歌をいくつも詠んでいる。
この川には、今も柳が岸辺に多い。ドイツ中世の頃から河川の堤防を強固にする根の強い柳が、また柳は簡単に挿し木で増えるので、今日でも好んで川岸に多く植えられている。種類は400種あるという。
イザール川は、オーストリアードイツ アルプスに水源を持ち、ドナウ河の3大支流(イン、レッヒ )の一つにあたる。バイエルン州の州都ミュンヘン市を流れ、全長284㎞である。
最近の記録では、1953年大洪水になり、水は旧市内まで届いている。
その後、大規模な運河工事が為され、水力発電所も小さな物が数箇所作られた
1990 年代、3つの目的の為に、大まかな計画案が水管理局から出された。
今後頻回に起きるであろう大洪水対策、また再自然化環境整備、市民のリクレーションの場所を増やす、2000~2009年のイザール プランが考えられた。
財政面では 州政府が55%、ミュンヘン市が45%負担し、総工費は28ミリオンユーロ (レート 1,60 で約44,8 億円 )、担当局は100年の歴史を持つミュンヘン市の水管理局が代表し、全仕事を担当している。
市のほぼ中心地、イザール川の中洲に世界最大規模のドイツ自然科学博物館が
1925年に建てられているが、その近くのコルネリウス橋から 上流のグロースヘッセローへ橋までの8㎞の区間の河川改修計画である。
まず、最初 Landschaftsarchitekt / 景観設計士によるコンペが行われ、1,2,3位が決められた。2位の方が再自然化の面で市民の人気度が高く、1位と2位の両方が採用される珍しい形となるが、この為時間もお金も予想以上に掛かっている。
計画の河川に関する法的な基礎は、ヨーロッパユニオンの指導要綱に従われて、国際河川は、数カ国で討議されているケースもある。
2005年の8月、100年に1回と言われる誰も経験した事がない大洪水が起きた。
この時の水量は、1050トン/秒で、限界量は1100トン/ 秒であった。
現在の工事が完了すると、川全体のキャパシティを土砂を掘り捨てる事で大きくしているので、疎通能力1400 トン/秒 となる。
第二次世界大戦の折、市は空襲で6割瓦礫の山と化し、その時の瓦礫をドイツ博物館近くの川原に捨て草原にしたが、今それを掘り起こして捨てているが、不発弾が出て来たりするので、慎重に工事が為されている。このあたりは、市民が犬の散歩に好む草原の場所で、犬のアウトーバーンと言われ、実に多くの犬に出会えて楽しい場所である。
驚く事は、堤防の木を一本も切っていない。ミュンヘンで木を切ると言う事は、人を殺す事と同じ位大変な出来事なので、お金も掛かるが、8mのメタルパネルを堤防に打ち込み強化してある。
この8km間を車と徒歩で水管理局の担当者と共に通訳として、視察見学した。
8箇所あった30cmの高さのダムは、魚道の為取り壊され、その後に石庭の如く自然に思える石が置かれ、流木もそのまま放置してあった。1箇所川岸に石のベンチ風階段が作られていた。この川には、虹鱒、カマスなどかなり大きな魚が生息している。
300年前のイザール川の地図を見たが、何箇所かはおそらく数百年前と変わらぬ川の姿がそこにあり、ミュンヘンの魅力がまた1つ増えたのを感じた。
氷河期のアルプスから流れてきた、丸い砂利石が川岸に多い。
川の自らの自然のダイナミクスで作られた、ビオトープや中洲がいくつもみられた。
天気の良い週末は、3万人の市民がイザール川で思い思いに時間を過ごす。
市は、都市のビオトープ化の政策をもつが、このプロジェクトが終わると、市は更に魅力を確実に増す。
水と石と砂とみどりと、太陽と新鮮な空気、グリルも出来ピクニックが楽しめる川原、ヌーディストクラブも沢山あり、川のせせらぎを聞きながら、全身全裸で日光浴を無料で自由に楽しめ、幸せそうな子供達の声が響く。
川が、自然が生きていると感じた。 豊かで平和でまた市の魅力が増えた。
ミュンヘンには、長さ7kmの自然の林を利用した魅力的なイギリス公園があるが、その延長が8kmのイザール川自然公園であると言えよう。
外国からの視察団が増えているが、ヨーロッパの河川工事のモデルケースとなっている。日本の河川の関係当局者の方に是非視察をお薦めしたい。上流から工事がはじまり、ドイツ博物館の近くで工事が今なせれているが完成間際となっている。
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