ドイツ公共放送の世界の状況を伝える番組Phoenix/ フェニックスで、先日20年前の天安門事件当時の長いドキュメンタリーフィルム“Massaker in Himmlisch Frieden”が再放され、今もトップジャーナリストとして人気が高い、ペーター・ショル・ラテゥアー氏が解説していた。

ドイツ公共放送は、ARD,ZDF,を中心に他州立の放送局、ラジオを含めて12放送局があり、受信料は、テレビ一台、ラジオ2台を基本として今1ヶ月が17,03ユーロ(約2,300円)となるがなかなか充実した番組がある。
プライベートのテレビ局もあり、ユニークな番組も作成されて競争がみられる。

当時の番組は、ドイツ人3人のジャーナリストが観光客として北京に入り、取材したものであった。タクシーの女性運転手が、「イギリスのジャーナリストが逮捕されたから本当に気をつけなさいよ、中国人と話すと殺されるから、話をしているように見られない事よ、問題が起きたら助けるから連絡をしなさい」など色々と協力とアドバイスを受けたという。

タクシードライバーは「40年間の政府のプロパガンダの嘘に騙されてもう我慢できない、不安や恐怖心より憎しみの方が強い」と話していた。

Hong Ying と言女学生はそのデモ行進の中にいて、当日のショックや翌日の出来事などの証言が強張った青白い顔で紹介された。また幼少時代を過ごした場所、13家族が小さな中庭を中心にして、そこでの個人の自由や秘密など一才ない生活や話が紹介された。(役人も一人住んでいて、またトイレが1つのみだったようだ。)

「平和に学生の私達が運動を起こせば、政府も聞き入れてくれるだろうとデモ行進をしていた。知的な職業についている人達もいた。まさか まさか ずらりと並んだ戦車が私達を次から次へと発砲攻撃してくるとは夢にも考えられない地獄か悪夢のような出来事が起きた。仲間が打たれたり轢かれたり、あちこちで悲鳴と銃声がありバスが燃え上がった。体が焼かれていたり、打たれて血だらけの仲間の動かなくなった体が沢山横たわった」と若い女性が恐怖の声で語った。
その戦車の列や燃えるバスの映像、流された血液も紹介されて、何がそこで起きたかドイツでの視聴者にはよく想像できた。
「学生は直ぐに日記や書類を燃やした。自殺をした仲間も何人かいる。1000人以上全員逮捕され、全て細かく事情調査され、友情も信頼も全て消えた。」

翌日から、アメリカ大使館前には移民を求めて、とても長い行例が出来ているのも紹介されていた。香港に、ドイツへと数年の刑務所滞在が終わってから移民した人達もいる。翌日、焼け爛れた戦車の映像が世界に流れ、また戦車の列の前で両手を広げて抗議した男性の映像は世界に流れ、よく知られている。

この女性は、トラウマに苦しみながら、今までの人生は一体何だったのか、多くの疑問や疑いや出来事を、失った友達の事を、政治の事をノートに書き始めた。そして、自由、文化、芸術を求めて中国を脱出した。当時のリーダーの1人は、香港に渡り、ラジオ放送を始めて電波で中国の農民や生活の苦しい人達の相談にのっていた。

本日は、もう1つ、人権、自由、民主主義の名で中国をテーマにした番組があった。ウィグルでの残酷極まりない虐殺状況と、圧政その状況を詳しく知り(中国テレビの報道4000人刑務所に収容、何人を処刑等を毎日記録)中国政府に激しく抗議した女性カデールさんが、中国が一番憎む女性として紹介された。
1人の成功した経営者であり、民族の独立と自由を望む政治家でもあるウイグル女性の、1時間のドキュメンタリーフィルムが紹介された。5人子供がいて、2人の子供も無実の罪で投獄された。
彼女はテロリストとして、8年間中国の刑務所に入れられその後ワシントンの国際アムネスティに助けられたが、アメリカで暗殺される寸前で大怪我をしたが一命を取り留めた。彼女は語った「私は死んでも、私の魂は共産党一党独裁のこのシステムを憎み続ける」と。

殆ど武器らしいものは持たないウイグル人が、イスラム教なのでテロ活動をしたと言う理由で、アメリカのグアンタナモも刑務所に送られた。
先週初めてドイツの雑誌シュターンで、その刑務所での実体、身が凍るようなショッキングな写真が何枚も紹介された。
嘘は大きければ大きいほど事実になってゆく、という確かナチスの幹部の言葉が思い出される。見ざる聞かざる言わざるは、現代に生きる人間として実に卑怯ではないだろうか。この嘘を日本人は本当に許す事が出来るのだろうか?

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