09.01.2010 am Samstag
author : 永冶ベックマン啓子 Keiko Nagaya Beckmann
主にローマ・カトリック教会の文化圏で、イースター/復活祭前の40日間の断食修行(西暦600年頃、キリストの40日間の断食修行を記念して、グレゴリウス法王が決めた)が行われる四旬節のこの断食の前の祭り行事である。
カーニバルは英語だが、ラテン語のcarne vale (肉よさらば、肉を減らす)に由来する。ドイツ語はカルネヴァル、ファストナハト(断食の前夜)バイエルンやオーストリアではファッシングと呼ぶ。
ゲルマンでの初期の謝肉祭は、冬を追い払う祭りから、教会で1週間大騒ぎをする農耕祭の後、その後自分達の羽目を外した欲望のままの狼藉ぶりの罪を、大きな藁人形に転化し、それを火あぶりの刑を与えて燃やし祭りを終えた。
(オーストリアの田舎では、家畜用に作った藁のロールに火を点けて坂を転がし落す行事が今でも残っている。)原初の農耕祭で、船を仮装した山車carrus navalis(車・船の意味)をカルネヴァルの由来とする説がもうひとつある。
ライン川流域のある地方では毎年11月11日11時11分に、謝肉祭の妖精が現れて始まるとされ小さなお祭りあり、本年は2月16日の火曜日までファッシングのお祭りが続くが、特に最期の1週間はパレードがあったり、飴を投げたり、仮装舞踏会で着飾り、美味しいものを食べたり(クラッペンと言うお菓子を食べる)飲んだり、賑やかで生きている喜びを思い切って存分に楽しもう、と盛大に羽目を外して大騒ぎをする。
中世ヨーロッパ宮廷から始まるヴェネツィアのカーニバル仮面舞踏会はマスカレードとも言われるが、文学やオペラでも知られるように夢があり楽しい、またリオのカーニバルはサンバ学校のダンスと煌びやかな衣装で有名、ウィーンの舞踏会、ドイツでは特にケルンやマインツのお祭りのパレードが大きくて賑やかになる。
ミュンへンでは、休日ではないがファッシングの火曜日は午後1時にはお店が閉まり、大人も子供の仮装をして歩行者天国のパレードに参加する。市長さんや毎年選ばれるファッシングの王子と王女が青空市場に11時から集まり、普段むっつりしてあまり愛想のない野菜や果物、蜂蜜、お花を販売する12人の女性達が、自分達のイメージを変えようとカラフルな衣装を身につけて、「市場の女性達の踊り」として楽しいダンスと音楽でクライマックスを迎える。この踊りは最近メディアに取り上げられ手いるが、100年の伝統がある。
2月の半ばはまだ寒いが、それでも毎日3分位日が長くなって行くのが目に見えるようで、春が待ち遠しく感じられ、湿度が高く寒くて不快な暗かった冬と、また重いコート等の抑圧感から、特に本年は寒波で雪が多い不快な冬からもう開放されたいと誰もが望む頃でもある。このお祭りは火曜日の真夜中12時で終わる。翌日は、灰の水曜日(アッシェン・ミットボッホ)四旬節の初日が始まり、教会で神父さんは信者の額に聖灰で「塵から生まれて灰になる」と十字をしるして塗り、人間はいつかは死ぬべき存在である事を想起させ修行の始まりを告げる。この日から敬虔な信者は復活祭までの40日間、お肉や魚、卵、乳製品も食べない(あるいは減らす)ベジタリアンになる習慣となる。冬の間食べ過ぎて疲れ気味の内臓を休ませ、不足している酵素を新鮮な野菜や果物等で補充する為の生活の賢い知恵でもある。
火曜日を境に、謝肉祭と四旬節という動と静の2面性が見られる。ここでは
悪魔が色々と慾の世界をみせて人をそそのかす享楽的で刺激的な欲望の世界をしばらく人は楽しむものの、神が限りのある人生を水曜日には見せる。
罪悪を自覚し懺悔をする。悪魔の誘惑を乗り越え禁欲に従わせ、イエスの荒野での苦難を思い起こさせ修行の時を告げ、人を反省させ現実に戻す展開がある。
古代ローマ時代、ケルトやゲルマンの太陽信仰から来る満月の晩に行われた冬至祭(ユール祭、サトゥルナリア祭)がキリスト教儀式と結びつきクリスマスになったと言われる。謝肉祭も同様に古いケルトやゲルマン文化の“冬を追い払って美しい春の到来を喜ぶ”お祭りに由来し、ローマからの春祭りの影響も含まれているという。
オーストリアのチロルでは、1月から2月にかけてアーペルシュナルツェン( Aperschnalzen ; 雪の積もっていない、schnalzen; パチッと鳴らす)と言う古くからの伝統民族行事が行われている。1つのグループが9人のチロルの民族衣装をつけた男性達の単位となり、いくつものグループで、全員が4mもの長い皮の鞭を持ち、一度に振りながら空気を切ると、バチッツー、ピシッツーと驚くような大きな鞭の振動音が谷間に響き渡る。山と谷間に雪の多いチロルの冬の自然は大変厳しい。この鞭の音と風で、暗くて寒く雪の多い冬や悪霊を追い払い、来る春や夏の豊かな自然の恵みと幸せと安全を祈り願うという行事である。ケルトや古代ゲルマン文化は自然崇拝教で太陽信仰があり、輪廻転生を信じ、様々な神がいる多神教で、日本の昔に良く似ていて大変親しみを感じる。
(ミュンヘン在住)ながやベックマンけいこ
カーニバルは英語だが、ラテン語のcarne vale (肉よさらば、肉を減らす)に由来する。ドイツ語はカルネヴァル、ファストナハト(断食の前夜)バイエルンやオーストリアではファッシングと呼ぶ。
ゲルマンでの初期の謝肉祭は、冬を追い払う祭りから、教会で1週間大騒ぎをする農耕祭の後、その後自分達の羽目を外した欲望のままの狼藉ぶりの罪を、大きな藁人形に転化し、それを火あぶりの刑を与えて燃やし祭りを終えた。
(オーストリアの田舎では、家畜用に作った藁のロールに火を点けて坂を転がし落す行事が今でも残っている。)原初の農耕祭で、船を仮装した山車carrus navalis(車・船の意味)をカルネヴァルの由来とする説がもうひとつある。
ライン川流域のある地方では毎年11月11日11時11分に、謝肉祭の妖精が現れて始まるとされ小さなお祭りあり、本年は2月16日の火曜日までファッシングのお祭りが続くが、特に最期の1週間はパレードがあったり、飴を投げたり、仮装舞踏会で着飾り、美味しいものを食べたり(クラッペンと言うお菓子を食べる)飲んだり、賑やかで生きている喜びを思い切って存分に楽しもう、と盛大に羽目を外して大騒ぎをする。
中世ヨーロッパ宮廷から始まるヴェネツィアのカーニバル仮面舞踏会はマスカレードとも言われるが、文学やオペラでも知られるように夢があり楽しい、またリオのカーニバルはサンバ学校のダンスと煌びやかな衣装で有名、ウィーンの舞踏会、ドイツでは特にケルンやマインツのお祭りのパレードが大きくて賑やかになる。
ミュンへンでは、休日ではないがファッシングの火曜日は午後1時にはお店が閉まり、大人も子供の仮装をして歩行者天国のパレードに参加する。市長さんや毎年選ばれるファッシングの王子と王女が青空市場に11時から集まり、普段むっつりしてあまり愛想のない野菜や果物、蜂蜜、お花を販売する12人の女性達が、自分達のイメージを変えようとカラフルな衣装を身につけて、「市場の女性達の踊り」として楽しいダンスと音楽でクライマックスを迎える。この踊りは最近メディアに取り上げられ手いるが、100年の伝統がある。
2月の半ばはまだ寒いが、それでも毎日3分位日が長くなって行くのが目に見えるようで、春が待ち遠しく感じられ、湿度が高く寒くて不快な暗かった冬と、また重いコート等の抑圧感から、特に本年は寒波で雪が多い不快な冬からもう開放されたいと誰もが望む頃でもある。このお祭りは火曜日の真夜中12時で終わる。翌日は、灰の水曜日(アッシェン・ミットボッホ)四旬節の初日が始まり、教会で神父さんは信者の額に聖灰で「塵から生まれて灰になる」と十字をしるして塗り、人間はいつかは死ぬべき存在である事を想起させ修行の始まりを告げる。この日から敬虔な信者は復活祭までの40日間、お肉や魚、卵、乳製品も食べない(あるいは減らす)ベジタリアンになる習慣となる。冬の間食べ過ぎて疲れ気味の内臓を休ませ、不足している酵素を新鮮な野菜や果物等で補充する為の生活の賢い知恵でもある。
火曜日を境に、謝肉祭と四旬節という動と静の2面性が見られる。ここでは
悪魔が色々と慾の世界をみせて人をそそのかす享楽的で刺激的な欲望の世界をしばらく人は楽しむものの、神が限りのある人生を水曜日には見せる。
罪悪を自覚し懺悔をする。悪魔の誘惑を乗り越え禁欲に従わせ、イエスの荒野での苦難を思い起こさせ修行の時を告げ、人を反省させ現実に戻す展開がある。
古代ローマ時代、ケルトやゲルマンの太陽信仰から来る満月の晩に行われた冬至祭(ユール祭、サトゥルナリア祭)がキリスト教儀式と結びつきクリスマスになったと言われる。謝肉祭も同様に古いケルトやゲルマン文化の“冬を追い払って美しい春の到来を喜ぶ”お祭りに由来し、ローマからの春祭りの影響も含まれているという。
オーストリアのチロルでは、1月から2月にかけてアーペルシュナルツェン( Aperschnalzen ; 雪の積もっていない、schnalzen; パチッと鳴らす)と言う古くからの伝統民族行事が行われている。1つのグループが9人のチロルの民族衣装をつけた男性達の単位となり、いくつものグループで、全員が4mもの長い皮の鞭を持ち、一度に振りながら空気を切ると、バチッツー、ピシッツーと驚くような大きな鞭の振動音が谷間に響き渡る。山と谷間に雪の多いチロルの冬の自然は大変厳しい。この鞭の音と風で、暗くて寒く雪の多い冬や悪霊を追い払い、来る春や夏の豊かな自然の恵みと幸せと安全を祈り願うという行事である。ケルトや古代ゲルマン文化は自然崇拝教で太陽信仰があり、輪廻転生を信じ、様々な神がいる多神教で、日本の昔に良く似ていて大変親しみを感じる。
(ミュンヘン在住)ながやベックマンけいこ
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